社団法人日本漫画家協会が、日本漫画界の向上発展を図るために1972年に設立した日本漫画家協会賞。
『ドラえもん』
『ゴルゴ13』
『ONE PIECE』
などが歴代受賞者リストに名を連ねる。
本日登場のスゴい人は、政治の風刺画で2009年第38回日本漫画家協会賞の大賞を受賞した。
彼は毎日新聞に、政治の風刺画を29年もの間描き続けている。
漫画を描くことは好きだが、アイデアが出ないことが最も辛いという。
彼独自のアイデア思考法とは?
さあ・・・漫画家 所ゆきよし様の登場です!
「アイデアを生み出す方法」
大学生の頃に、朝日新聞に連載されていたサザエさんの4コマ漫画やクリちゃんというセリフが無いサイレントマンガが大好きで、世界のセリフの無いサイレント漫画について調べました。
ヨーロッパでは、1つ1つの国が小さいので自国だけを対象として漫画を描くのでは無く、ヨーロッパ全体を対象にして漫画を描く作者が多かったのです。
言葉が違うと読んでもらえないのでセリフの無いサイレント漫画が発達していきました。
今でこそインターネットに情報が溢れ、街の本屋さんに行けば外国の図書が置かれていますが、1970年代の日本には、ヨーロッパの漫画本はありませんでした。
ヨーロッパに旅行に行く友人がいるとサイレント漫画の本を購入して欲しいとお願いしていました。
それらの本を見てヨーロッパの漫画の真似をすることから、私は漫画家として第一歩を踏み出したのです。
大学を卒業してから企業の宣伝部に勤め、昼間は宣伝部の仕事をしながら夜は個人的にお付き合いのあるテレビ局の方から仕事をいただき、番組で使用するテロップやタイトルバックを書いたり、漫画の絵を作製したり、2足のわらじ状態で働き続けました。
もうこれ以上働いては死んでしまう・・・
と会社に辞表を出したのですが、結局辞めるまでに約8年もかかりました。
ある時、医者から中性脂肪の数値が上がっているので心筋梗塞や脳梗塞になる可能性がある。
このままだと死にますよ。
防ぐ方法は1つしかありません。
それは歩くことです。
と告げられたのです。
それで、『毎日1万歩を歩く』ということを決めました。
1万歩というと早足で歩いて1時間超かかります。
歩くのを続けるうちに驚くべき発見がありました。
机の前で悩みに悩んでもアイデアが出てこないのに、歩いた後は不思議とアイデアが自然に浮かんでくることが分かったのです。
これは色々な学者も研究しているのですが、歩くことで脳が活性化されるのですね。
だから、歩く時には、 メモ用紙にあらかじめ考えるべきことを箇条書きに書いておいて、何も考えず早歩きで30分歩いた後に、ゆっくり歩きながら出てきたアイデアを6Bの鉛筆で書き留めます。
そして、家に帰ってそれを絵にするんです。
これを20数年間、夏の暑い日も、雪の日も台風が来ても欠かさず続けています。
辛いと思ったことなどありませんよ。
だって、アイデアが出てこないことの方が辛いですから。
これが私のアイデア捻出法です。
みなさんも、是非お試しください。
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