本日登場するスゴい人は、現代工芸製本家として活躍するスゴい人!
書籍の製本・装丁を手作業でおこなう仕事であり、日本ではあまりなじみが無いかもしれないが、西洋では2000年とも言われる歴史のある伝統工芸である。
彼は日本の工芸製本(ルリユール)の草分けとして知られる栃折久美子氏に師事。
その後、本場ベルギーで修業を積み、イタリア国際製本展(1998年、2002年)、エストニア国際製本展(2000年、2004年)等海外の多数の国際展で受賞。
日本のみならず世界のルリユール文化の発展に寄与している。
さあ…
現代工芸製本家
伊藤篤様の登場です!
「人と人とを綴じる」
製本資材卸業の家に生まれ、19歳の時に父の紹介で栃折久美子さんの工房に行くと、「製本をやろう」と決意。
美術大学に進学するつもりでしたが、一目見て製本に魅了され、栃折久美子オヤカタの下で修業をしました。
その後、ヨーロッパ・ブリュッセルで修業を積みました。
ヨーロッパでは書物造形に歴史があり、伝統工芸の領域にまで達しています。
指導者には「止めずに続けなさい」と教わりました。
製本の技術の習得というのは、スターウォーズのジェダイの修行のようなもので、日々の修練が大切です。
そして、悪しき心は作品にも反映されてしまいますので、良いものを作り続けようという気持ちを持ち続ける事が大切だと教わりました。
今もこの教えを常に心において、作品制作を続けています。
工芸製本(ルリユール)では60工程の作業があります。
どの作業も正確さを要求されます。
さらに、デザイン性など複合的に求められます。
全ての製本工程でおおよそ30日余りかかり、金箔を貼るなど、デザイン性を高める創作等をかけると無限に時間が必要です。
製本はもともと革の世界でしたが、今では異素材などで製作したり、新たな素材・材質で新たな作風、技術が生まれ続けています。
完成を満足したらそこで終わってしまいます。
向上心がある限り永遠です。
現代はスピードを求める時代となり、手製本には逆風です。
修業時代とは異なる試練を感じます。
手作業の製本には、時間がかかります。
急ぐことにより失敗を招きます。
しかし、作業に時間を掛けた作品には、必ずその時間が現れます。
それが後世に残るのです。
時代の流れで、失われる文化・技術があることは悲しいことだと思いますが、工芸製本は残るものと信じています。
出版物は減少していきますが、教えを守り続けていきます。
製本は紙を綴じる仕事です。
それだけに終わらず、人と人とを綴じることだと教わりました。
製本を通して国や地域を超えて多くの人々とつながることができます。
沢山の方々との出会いのお陰で現在があります。
今後は「製本」という枠にとらわれず、製本技術を活かして様々な作品制作に取り組んで行きます。
製本というと難しく思われがちですが、より広く、多くの方に興味を持っていただき、人のつながりが広がっていくことを目指しています。
◆スタディオ・リーブル
http://studio-livre.org/
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