かつてヨーロッパを長距離運行していた世界的な豪華列車“オリエント急行”
その列車の旅を彩る料理を提供していた日本人唯一のシェフが、本日登場する。
彼は高校を卒業後、ホテルオークラに勤務。
以後、在ベルギー日本大使館の公邸料理人、オリエント急行シェフを経て、日本で“A ta gueule”をオープン。
2012年からは店舗を移転し、自身の経歴を活かして、日本版オリエント急行と呼ばれた寝台車輛をラウンジとして使用した電車のあるレストランで人々にインパクトを与えた。
世界で料理の腕を磨き、発揮してきた彼だが、ホテルオークラ入社当初はフランス語も話せず、料理の経験もほとんど無かったという。
さあ・・・A ta gueule ORIENT-EXPRESS シェフ 曽村譲司様の登場です!
「好奇心」
高校時代、学校にホテルオークラから求人が届いているのを目にし、ただただ美味しいものをおなか一杯食べたい、食べたことの無いものを自分で作れるようになりたい、という気持ちで就職試験を受けました。
包丁も握ったことの無いような状態でしたが、当時の社風もあり、高卒の私を採用してくれました。
家に帰れず、友達とも遊べず、スパルタの先輩もいて厳しいことはたくさんありましたが、学校を卒業してすぐに社会に出たので、「これが社会なんだ」と思って素直に聞くことができました。
それに、知らない世界を経験できることが楽しくて仕方なかったので、どんなことも苦にはなりませんでした。
6年働いた頃、オークラから在ベルギー日本大使館の公邸料理人を派遣することになり、本場を見てみたかった私は手を挙げ、運よく選ばれました。
忙しくて、想像していた生活とはギャップがありましたが、毎日が新鮮で楽しかったですね。
まとまったお休みを頂くと、街のレストランで無償で働いて勉強させて頂いていました。
本場に行ってみて、星付きのレストランだけがフランス料理ではないことを学びました。
私は自分なりの人生観、料理観が生まれ、ローカルの人が何を食べているのかこの地域にどんな食材があるのかをもっと知りたくなりました。
公邸の任期を終えて日本に戻るとイベントでオリエント急行のシェフがオークラに来ていて、「これだ!」と直感して直談判し、マレー半島とヨーロッパの路線で2年半働きました。
いくつもの地域を走る電車では基本はフランス料理ですが、その時々の景色などに合わせた料理を提供していました。
天候不良などで旅程が伸びると予定外の料理を出すことになります。
列車には食材のストックがあまり無いので、途中駅で下車して現地で食材を調達し、メニューを考えるなんてこともしていました。
ピンチでも、とにかく初めての事をするのが楽しくて仕方が無かったですね。
帰国後、自分の店を持ち、2年半前に今までの自分の集大成として自分らしいお店にしようと思った時に電車を置くことを考え、店舗を移転しました。
私は無茶なこともやれば何とかなると思っているので、実際にやってみないと気が済まないんです。
今はこの店に私のやりたいこと、新しいことが詰まっているので、「色々な人に愛される店作りとは何か?」という答えを、ここでお客様と接しながら探していきたいと思っています。
◆A ta gueule ORIENT-EXPRESS
http://www.atagueule.com/
※一部携帯では見られない可能性があります。
東京都江東区木場3-19-8
ランチ 11:30?13:30(LO)
ディナー 17:30?21:30(LO)
火曜日定休
TEL 03-5809-9799
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