本日登場のスゴい人は、NPOを助成するNPOを運営している。
しかも、彼の行っている助成は単に金銭を援助するのではなく、ボランティアの持つ専門知識や技術を生かした「プロジェクト型支援」なのだ。
彼は、前職のコンサルティング会社所属の時に訪れた米国NPO団体の調査で偶然にプロボノという存在を知り、自身のNPO運営の経験から日本にもプロボノが必要だと考え、自らプロボノの活動を開始した。
維持管理の難しいプロボノの活動の基盤を整え、システム化し、助成対象のNPOに対して確実に成果物を提供できる仕組みをつくり上げた。
さあ・・・特定非営利活動法人サービスグラント代表理事 嵯峨生馬様の登場です!
「新しい社会貢献の方法」
2001年から、アースデイマネーという渋谷を中心とした地域通貨のNPOをやっていて、周りの方から様々なアドバイスを頂くことはありました。
しかし、そうした方が良いと頭では分かっていても、人手も資金も無いためになかなか実行できないのが実情です。
アメリカで偶然出会った「プロボノ」による支援は単に手足を動かすボランティアではなく、スキルやノウハウを使ってプロジェクトベースで行うボランティアなので、NPOにとっても有効だと思ったのです。
当時、日本で「プロボノ」という言葉を使っているのは弁護士や外資系のコンサル会社などごく一部で、一般にはあまり馴染みが無かったのですが、日本にもこの仕組みがあったら良いのではないかと思い、サービスグラントの活動を始めました。
初めの3年間は、プロボノワーカーの登録も年間20?30人程度でプロジェクトの数も3?5件と、活動の広がりは非常にゆるやかでした。
しかし、その頃に行ったWebサイト制作支援の結果が評価されて、日本財団から3年間に渡る活動資金の援助を受ける事ができたのです。
2009年にそれまで任意団体だったのをNPO法人化し、Webサイトのリニューアルや登録者データベースの作成、プロボノの認知度を上げるためのイベントなど、活動の基盤の固め直しをおこないました。
すると、プロボノワーカーの登録数が月に20?30人に増えるなど、活動が大きく広がりだしたのです。
はじめの3年間の活動があってこそ得られた成長だと思いますので、活動のための資金などがたとえ足りなくても、「なんとか続ける」という時期があっても良いのだと実感しました。
プロボノというのは、ボランタリーな気持ちと専門業務を行う上でのプロ意識の両方を持っていなければ上手くいきません。
難しい事ではありますが、上手くいったときにはビジネスの時とは違う、予想以上の結果を生む事ができるのです。
多くの人が自分の持ち味を発揮し安定して成果が出るように、参加者とのコミュニケーションを積極的にとり、プロジェクトの基本ステップを冊子にして提示するなどして、プロジェクトの進行を事務局で管理しています。
NPOの活動は、「勝つ」という一時的な喜びよりも、継続して活動をおこなう「負けないこと」が大切です。
今後は教育や行政、病院などより多くの人にとって身近なものにプロボノの力を生かせるようにし、プロボノとして社会参加することが当たり前の社会を作っていきたいと思っています。
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