本日登場するスゴい人は、日本で唯一の水族館プロデューサーとして活躍するスゴい人!
彼は大学を卒業後、三重県の鳥羽水族館に入社し、アシカトレーナーから企画室長、新鳥羽水族館プロジェクトの責任者を経て、副館長となった。
鳥羽水族館を退社後は水族館プロデューサーとして、神奈川県の新江ノ島水族館や東京都のサンシャイン水族館、北海道の北の大地の水族館など、数々の水族館をプロデュースし、来館者数増加を成功させてきた。
彼のプロデュースはなぜ成功するのだろうか。
さあ…
水族館プロデューサー
中村元様の登場です!
「弱者だけ進化する」
私は幼い頃から記憶力が非常に弱く、苦労しました。
しかし弱点があると、それを補う方法を考えるようになりました。
小学生の頃にどうしても九九を覚えられなくて、困り果てた末に「2×9と9×2」のようにひっくり返せば、覚える量が半分で済むと気づいたのです。
この時、先生が教えない方法でも、自分だけの道や方法を見つけることができると知り、苦しんだからこそ気づきを得られました。
大学卒業後、鳥羽水族館で働き始めましたが、元々水族館で働きたいとは思っていませんでした。
周りの飼育員はみんな生物学を学んだプロばかりの中、私は魚の名前を一向に覚えられず、箸にも棒にも掛からない存在でした。
絶対に負けという状況の中、弱点を武器にしようと考え、知識が無い私はお客様に一番近いので、お客様の行動を徹底的に観察しました。
そして、ほとんどの水槽が見られていない事、お客様は魚ではなく水槽そのものを見ていて、見てもらえる水槽は決まっている事などに気づき、そこから見せ方の工夫が始まりました。
狭い水槽を広く見せたり、水を感じられる見せ方にしたり。
また、お客様に来てもらうためにはメディアに取り上げられなければなりませんので、日本で初めて水族館に広報の部署を作りました。
もちろん最初から協力は得られませんでしたが、自分一人でできる工夫から始め、皆があっと驚く成功を2回続けて見せると、私のやり方に人がついてくるようになりました。
私はプロデュースをする際に、弱点を克服しても強い者には勝てないので、弱点を利用する発想で行ってきました。
サンシャイン水族館では、内陸で狭い敷地という弱点を武器にした「天空のオアシス」というコンセプトでリニューアルを行いました。
また、北の大地の水族館では、寒すぎて冬場に水が凍ってしまうのを武器にして、「冬にしか見られない凍る水槽」を求めて多くのお客様が来てくださるようになりました。
強い者は変化によって今より悪くなる心配があるのでマイナーチェンジしかできませんが、弱い者はコンセプトを変えると爆発的に進化をする場合がある。
弱者しか進化することはできないのです。
私は今自分がしている事のすべてに満足しています。
今後はボランティアで行っている「バリアフリー観光」の活動を、全国に広めていきたいと思っています。
◆Web水族館 全国水族館ガイド
http://www.web-aquarium.net/
タグ:プロデューサー