古事記にも記されている太古の船は、葦船(あしぶね)と呼ばれる縄で編み込まれた船。
今日、親子や学生たちも参加できるワークショップでそんな原始的な葦船を実際に自分たちで作り上げて、さらに海に浮かばせて乗るという活動を全国各地で行っているスゴい人が登場です。
彼は、2人乗りくらいの小型葦船から半年以上かけて創りあげる巨大葦船まで手がけ、なんとその葦船で日本で初めて外洋航海を実現してしまった。
なぜ、ここまで葦船に魅了されたのか?
さあ・・・カムナ葦船プロジェクト船長 石川仁様の登場です!
「生きているだけで幸せ。」
それをただ実感したかった。
だから生きるか死ぬかのボーダーラインを歩こうと思った。
灼熱のサハラ砂漠をラクダとともに2700kmを1人で半年歩く旅。
それが最初の人生を変える大きな旅だった。
英語教師を目指していた大学時代、もっと世界を見てみようと一人旅を企画し、休みをフルに使ってヨーロッパ、インド、東アフリカをバックパックを背に歩き回る。
卒業まで我慢できず一年休学。そしてサハラへ。
究極の幸せとは、生きているだけで十分と心から感じること。
そのためには一度リアルに死をみつめてみたい。
そんな思いでラクダと共に半年歩き続けた。
それもたったひとりで。
そこには大げさじゃなく生きるエネルギーを育む全てがあり、生きて帰れたことで大きな自信と生きる力を手にしていた。
そしてとことん旅を極めたいと卒業後旅を続けることに。
極寒のアラスカでイヌイットの人たちに会い、その後はたった一人で丸木舟でコロンビアの川を下りました。
どんな僻地に行っても精神的にも肉体的にもバランスよく生きられるという強さが欲しかったのでしょう。
次に向かったのが高地アンデス山脈。
そこで1年間マチュピチュの観光ガイドをしながらお金を貯め、 5人の仲間と標高3800mにあるチチカカ湖を人類最古の乗り物葦船で4ヶ月かけて一周の旅に出る。
この旅の途中で出会ったスペインの探検家と意気投合。
古代民族が葦船で大陸間を渡った可能性を証明するために、30mの葦船で太平洋を渡る実験航海に参加することに。
7カ国10人のクルーで日本を目指し南米のチリを出航するが、二ヶ月半を過ぎた頃ロープが切れ、船体が真っ二つに。
2週間漂流しマルケサス諸島に漂着。
88日間8000kmの航海。
次に、大西洋横断に挑戦するも同じく船体が壊れカボベルデ諸島で断念。
それでも未だ誰も成功していない葦船での太平洋横断を諦めていないのは、世界中で僕だけでしょうね(笑)
葦船って、行きたい場所に向かう船ではなく、自然とともに行くべき場所にたどり着く船のこと。
風が吹かない限り、ジーって止まっているしかできないのです。
航海の最初から最後まで思い通りに風が吹くなんて有り得ないのです。
これって、人生と同じなんじゃないだろうか。
自然をコントロールするんじゃなく、 自然に委ね、自然と共に行くべき場所に向かう。
葦船を通じて、そんな自然とともに生きる感覚を伝えていきたいと思っています。
そして三年後、再び葦船で太平洋横断を目指します。
◆カムナ葦船プロジェクト?太古の智慧をつなぐ旅?
http://kamuna.net
※上記サイトは、一部携帯では見られない可能性があります。
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