1300年の歴史の中で2人しか達成していない過酷な修行を行った僧侶
数ある修行の中でも、最も過酷といわれる『大峯千日回峰行』を満行。
奈良県大峯山の険しい山道を一日48キロ、千日間のあいだ、欠かすこと無く歩き続けた。
さらに、九日間飲まず・食べず・寝ず・横にならずの『四無行』を満行。
もし、途中で修行を断念しなければならない場合には、切腹をして行を終えるという、非常に厳しい修行である。
1300年の歴史の中で、未だ2人しか、達成していない。
修行の中で得た悟りとは、どのようなものか、教えていただきましょう。
さあ・・・福聚山慈眼寺住職、塩沼亮潤大阿闍梨の登場です!
「日々修行」
23歳の時に『大峯千日回峰行』に入行しました。
険しい山道を、1日48キロ、16時間かけ年間約4ヶ月、1000日間欠かすこと無く歩き続ける行です。
行の最中体調を崩し、極限の状態の中でも歩き続け、人生の意義を自らに問いながら行じます。
例えば、どうしても苦手だと思う人が世の中にいたとします。
しかしいつまでも、そのことに執われていると、自分の追い求めている真理を追求することに100%の力で向かって行けません。
人を恨まず、憎まず、忘れて、捨てて、許して、今ある環境に感謝して大きなる夢に向かって、歩んでいくことこそが一番理想的な生き方だと気がつきはじめます。
でも、頭で理解できても、それを実践するのは、
なかなか難しいことでまた悩んでしまう時もありますが、
繰り返し、繰り返し実践していると、やがて自分の心と行いがともなってくるようになります。
天候や体調が最悪の時もありました。
しかし「行きたくないな」とか「行かなければならない」という思いは一度もありませんでした。
精一杯に行じても行、ただ行じても行です。
しかし、天は全て見ておられます。手を抜いて後悔するより、いつも精一杯生きることです。
1000日間の行を終えた後に、飲まず・食べず・寝ず・横にならずの『四無行』も行じました。
修行に入る前に、親族や友人が集まり、生き葬式を行います。
しかし行に入る前は、不思議と何の怖さも無ければ、不安もありません。
ただ感謝の気持ちでいっぱいで、もし無事に満行できたなら、皆さまの為に生きて行く利他の行がしたいとただそれだけでした。
行を終え、人として大切なことを3つ悟りました。感謝と反省とそして思いやりです。
良いことをして、悪いことをしない。とてもシンプルですが、基本に忠実にぶれない心を持って生きることが大切だと思います。
2010-12-31
取材:編集部
タグ:僧侶
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