グルメ漫画“おいしんぼ”にも取り上げられ、食通としても有名な中尾彬さんも足しげく通う老舗江戸前寿司の五代目親方が本日登場する。
手間隙を掛けた芸術的な江戸前寿司は仕込みに数時間を要する。
彼の手の皮は何度も剥け指紋も無く、板場に入ると自然に温度が16度まで下がるという。
先代の親方に少しでも近づき、お客様においしい寿司を食べてもらうため、日夜努力を重ねてきた。
さあ・・・弁天山美家古 五代目、内田正様の登場です!
「他人の評価と自分の評価」
こどもの頃、ご近所から「五代目!」と呼ばれる環境で育ち、家業を継ぐ事は当たり前だと思っていました。
小学校から帰ると厳しい修行を一生懸命していた弟子たちに混じり、自然と店を手伝うようになりました。
左利きだったのを無理やり右利きに直されたため吃音症になってしまい、話すことが怖くて対人恐怖症になりました。
モジモジして女の子とも話せない姿を四代目は歯がゆく思ったのか、高校2年生から共同生活の寮へ入れられました。
寮には全国から色々な価値観を持った学生が集まってきます。
浅草で生まれ育った私にとって人生を考える絶好の期間となりました。
大学では職業について考えたかったので職業指導過程を専攻。
勉強を重ねるうちに家業である寿司屋には経営、営業、経理など全て一人でやれるという魅力を発見しました。
卒業した翌日から、父を「親方」と呼び本格的に弟子入りしました。
『ある程度、親方に近づいたな。』と思って親方の背中を見ると親方は更に上にいるのです。さらに近づいたと思っても、親方はその更に上にいます。この繰り返しの毎日でした。
これは親方と弟子との人間関係を表しています。この関係が築けないと、親方として見ることができなくなり、関係そのものが崩れてしまいます。
お客様にも、育てて頂きました。先代の親方の仕事の方が良いと言われ続け、ある時、『親方に近づいてきたな』と評価を受けます。
「お前の寿司はまだ食えねぇ〜」といい、海苔巻きまでしか食べてくれず自分が握った寿司を食べずに先に逝ってしまったお客様も沢山います。
何とか自分が握った寿司を食べてもらいたい!そういう気持ちあったからこそ、辛いと思われる修行も苦しむこと無く乗り越える事が出来たのでしょう。
「他人が評価した自分」と「自分自身で評価した自分」を何とか一致させることを常に目指しています。
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