全国の動物園で“ゴリラの鼻くそ”を400万個販売したスゴい人!
“ゴリラの鼻くそ”と聞いて皆さんはどんなものを想像するのだろうか?本日は、甘くておいしい黒豆薄甘納豆の
“ゴリラの鼻くそ”を全国の動物園を新規開拓し400万個も販売したスゴい人!が登場する。
“ゴリラの鼻くそ”は、東京の上野動物園、北海道の旭山動物園など、全国の主要な動物園でお土産として販売されている大ヒット商品である。誰もが一度聞けば忘れられなくなる“ゴリラの鼻くそ”というユニークな名前の由来とは?大ヒット商品誕生の秘密を教えていただきましょう。
さあ・・・有限会社岡伊三郎商店(笑売堂)代表取締役、岡和正様の登場です!
「笑い一番 味一番」
パイオニアといわれるのが私にとって一番心地よい響きです。私は何でも、新しいこと、まだ誰もやったことがないことをやるのが好きなんです。プロの落語家を呼び、落語会をプロデュ―ス、市内初の郊外型酒小売店舗、「ゴリラの鼻くそ」の販売開始、根底に流れているものはみな同じ精神です。
よく言えばチャレンジ精神、悪く言えば変わり者なんでしょう。
大学を出て証券会社で働いていましたが、27歳の時父が、そして28歳の時祖父が連続して亡くなったので、島根県に帰り細々とやっていた酒小売業を継ぐことになりました。
祖母、母、妻、子供2人の一家を背負う立場になり、借財も多く残っていたので途方にくれましたが、仕方ないと観念し糊口を凌いでいました。
当時の酒店はどこも自宅で配達中心の営業方針でしたが、私はこのシステムに疑問を持ち平成5年に市内で初の郊外型店舗を出店し、毎日驚くほどのお客様に来店いただき繁盛しましたが、やがて同じような店が後追いしてきて平成12年ごろから売り上げに陰りが見えてきました。
酒にしがみついていないで何かしなければいけないと考えていたところ、妻の実家で作っていた黒豆甘納豆を売って挽回しようと考えるようになり、半年あまりの試行錯誤の上、ついに「ゴリラの鼻くそ」というネーミングと動物園の売店という販売チャンネルを思いつきました。
こんな変なネーミングでは流通業者も相手にしないだろうと思い、北海道から鹿児島まで全国の動物園に直接自分の足で売り込みに行きました。平成13年のことです。
結果的には「ゴリラの鼻くそ」というアウトぎりぎりのユーモアネーミング商品が支持を得て、あっという間に全国の動物園売店に広がり人気No.1商品となり、今日まで10年にわたり人気を保っています。当時「この商品は食べられるんですか」とか「動物園のゴリラの鼻くそを加工しているんですか」など笑い話もありました。
その後全国各地で○○の鼻くそという類似発想商品がたくさん出ていますが、牙城である動物園にはいまだにどこも踏み込めません。私が新しいことを起こそうとしたとき周りの人はいつも同じ事を言いました。
「こんな田舎で落語会が成り立つのか」「郊外型店舗にお客が来るのか」そして「ゴリラの鼻くそなんてネーミング商品が売れるのか」「そんなこと前例があるのか」と。
前例があったなら面白くない、前例がないからやってみるというのが私の最大の楽しみであり、また人生哲学です。
2012-07-19
取材:山縣かほり
タグ:ビジネス・経営者
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