本日のスゴい人は、弱冠24歳でありながらスポーツスタッキングの日本大会を3連覇し、世界大会ジュニア部門でも優勝経験を持つ。
現在は、世界で唯一のプロ選手として、前例の無いそのポジションを確立させようと活動を続けている。
競技自体があまり広く知られていないため、大会でも賞金が出ず、スポンサーも満足には付かない。
だが、それでもこの競技の可能性に人生を懸けている。
さあ・・・スポーツスタッキングチャンピオン瀬尾剛様の登場です!
「自分以外に例がないということ」
スポーツスタッキングを始めたきっかけは、偶然だった。
おもちゃ売り場の体験コーナーにあったスタッキングのカップを手に取り遊んでいるうちに、気づいたらあっという間に1時間が経っていた。
最初は時間がかかっていたものが、集中するとどんどん早くなっていく。
その感覚が楽しかった。
それからこの競技にのめりこみ、練習を重ねてタイムを上げ続けた。
高校2年生の時に第1回日本大会で優勝。
その後、日本大会を3連覇し、世界大会ジュニア部門でも優勝できた。
全てが順調だった。
しかし、年を重ねるにつれて、“世界チャンピオンがいつも小学生”というこの競技の特徴に悩まされるようになった。
勝つ為には集中力と成長力が重要で、思考力や筋力があると、むしろ不利になる。
大人になるにつれて、世界の壁が高く感じるようになっていった。
ただ、競技が好きなことに変わりはなく、この先もずっと続けていくのだろうとは思っていた。
大学を卒業して一度は就職したものの、スポーツスタッキングを広めるための活動は今しかできないと思い、独立した。
将来など全く見えてはいなかったが、本当にやりたいことを大切にした。
たくさんのスポーツがある中で、このマイナースポーツへ投資してもらうのは想像以上に難しかった。
収入を確保するために、パフォーマー「SEOPPI」としてパフォーマンス活動をしたり、スポーツスタッキングの講師として学校や学童保育所に行き、この競技を教える活動を始めた。
その中で気づいたことは、この競技は見て面白いだけでなく、子どもの集中力を高めるのに役立つということだ。
「この子たちが1、2時間一つのことに集中するなんて今までなかった」
という声をよくいただく。
しかも、性別での有利不利がなく、特別運動神経がいるわけでもないので、誰でも始めやすい。
動作自体は単純ですぐにできるので、できずにあきらめる事も少なく、すごく自信がつくようだ。
以前、児童養護施設でも活動させていただいたが、教える前と後でその場の空気が大きく変わったのを肌で感じた。
初めは少し警戒した様子で見ていた子ども達が、夢中になってカップを積んでいた。
教育という視点で見て、スポーツスタッキングにはまだまだ可能性がある。
この競技を広め、世界に通用する小学生を日本から輩出したい。
そのためにも、子どもとこの競技が出会うきっかけづくりを業界の先頭に立ってこれからも行っていきたい。
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