幼い頃に鉄腕アトムの漫画を読んでロボットに憧れた少年が、大人になってロボットを開発した。
彼の作品は、大学在学中から様々なコンテストで評価され、ロボカップ世界大会で2004?2008年の間、5年連続優勝。
代表作“クロイノ”は、米TIME誌“Coolest Inventions 2004”に選ばれ、ポピュラーサイエンス誌では「未来を変える33人」の一人に選ばれた。
今年3月にデアゴスティーニ社から発刊されたパーツ付き組み立てマガジン『週刊Robi』のデザインを手がけ、人型ロボットの一般への普及に大きく寄与した人物である。
彼が描くロボットの未来像とは?
さあ・・・株式会社ロボ・ガレージ 代表取締役社長、東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授 高橋智隆様の登場です!
「独創」
就職活動のタイミングでバブルが崩壊。
ものづくりが好きだったのでメーカーへの就職を目指して就職活動をしましたが、第一志望の会社に落ちてしまいました。
第二志望の会社に受かったものの、エンジニアになってものづくりをしたいという気持ちが強く、就職せずに工学部で勉強しなおす事を決意しました。
大学を卒業後、1年間の予備校生活で猛勉強をして京都大学工学部に再入学をしました。
第一志望の企業に落ち、大学に入りなおした事は、一見すると “挫折”や“脱線”ともとれる出来事ですが、“無難”ではない人生を歩む良い転機となりました。
大学入学後はほぼ独学でロボットの研究、製作を進め、ベンチャーコンテストやアイデアコンテストでは全戦全勝。
4年で配属になった研究室の先生もテーマは自分で見つけなさいと言ってくださり、自由に研究ができたので、恵まれた環境でしたね。
新卒扱いで企業に就職しても、同年入社の他の人よりも早く定年が来るだけで損だと思い、卒業と同時に会社を立ち上げました。
ロボットを作る時には、外観も動きもデザインする事を重視しています。
人型をしたロボットには愛着が湧き、コミュニケーションの対象となります。
そして、小さくする事も重要です。
人型のロボットはコミュニケーション用であり、作業用ではありません。
大きさや力強さは必要ないので、安全性確保の為にも小さい方が有利なのです。
一人でデザインから製作までをやっていると大変そうに思われますが、デザイナーとエンジニアが別々にいると実現できない、見た目と性能を両立させたロボットが作れるのです。
今の目標は、15年後に1人1台ロボットを持っている世界を実現すること。
ゲゲゲの鬼太郎に出てくる目玉おやじの様な小型コミュニケーションロボットを持ち歩く。
それは、スマホに取って代わる情報端末になっているはずだ。
既にピークを迎え、時期を過ぎたものに舵を切っても意味がない。
次は何の時代が来るのかを見極め、自分の進路を決める。
先を読むことが、キャリアを作る事なのです。
そのために、人と違うことをする。
無難で楽な方よりも、大変でもユニークな方を選ぶのです。
実際に大変な目にも遭いますが、その方が得るものも大きい。
普段の買い物などの日常的なところからユニークな選択をする習慣を積み重ねる事が、キャリア形成の第一歩になると私は考えています。