テレビドラマ・舞台・漫画・テレビアニメ化まで果たし、シリーズ累計370万部を突破した、大ヒット小説「心霊探偵八雲」シリーズ。
本日は、その原作者が登場します。
「心霊探偵八雲」は、ご本人のプロデビューのきっかけとなった作品シリーズである。
プロになる前は、サラリーマンとして働いていた、という。
そして、仕事をしながらも人知れず夢中になって、ひたすら作品を書き続けてはいたものの、プロデビューをするまでには至らなかった。
「もう、いっそのことやめて別の道を探そうか」
という想いが胸によぎる。
本当にあきらめようとしていたその時、奇跡は起きた。
さあ・・・小説家 神永学様の登場です!
「書くことが好きでたまらなかった」
映画監督になりたい!
その一心で映画製作を目指し、日本映画学校に入学した。
地元、山梨ではそれなりの自信をもって上京してきたはずなのに、待っていたのは予想もしていなかった、厳しい現実。
周りは映画の強者だらけで、圧倒的なレベルの差に打ちのめされる毎日。
そこで発想を変えて、予算やスケジュールなど細かなことを管理する「制作進行」を選択。
その道の一流を目指し、努力を続けた。
すると校内でも徐々に評価され、注目されるように!
講師には「どんな会社でも紹介しよう」と推薦されるまでになった。
その時に、「一番厳しいところに行かせてください」と答えて飛び込んだ環境が、過酷な労働条件を強いられる職場であった。
休みなく働いて、月給9万円。
そのほとんどが家賃と交通費に消えていった。
このままでは生活を続けていくには厳しい。
かといって、親を頼りにすることもしたくはなかった。
「学校を卒業して、好きな道を選ばせてくれた親に、これ以上迷惑を掛けるわけにはいかない」。
そう思ったとき、新たな道を探すことしか、選択肢がなかった。
そんなギリギリの状況の中、まずは身を立てることが先決!と考え、一般企業に入社し、人事として働き始める。
しかしながら、元来のクリエイティブ精神はそう簡単に静まらない。
働きながらでも、何か自分らしく続けられることはないか?と模索する中で辿り着いたのが、「書く」ということ。
思えば、書くことは昔から好きだったし、何よりも一人でできるのがいい。
「これならば続けられる!」
そう思い、小説を書き始めた。
しかし、このとき入社した職場もまた、非常に厳しい環境で、早朝から終電まで働き続ける、という日々。
終電で帰宅してから食事をとり、入浴すると、時計は夜中の2時を回っていることも珍しくなかった。
それでも欠かさず、毎晩ペンを取って“書く”ことに没頭した。
そしてひたすらに、書き続けた。
「書くことが好き」という情熱は何よりも強く、その想いに駆り立てられた。
そして書いた小説を、様々な賞に応募し続けた。
心のどこかで、懸命に書いた作品を誰かに読んで欲しいという想いがあった。
しかし何度応募しても選考を通過することはなく、全く評価を得られないままに、6年の歳月が過ぎた。
「これで最後にしよう」。
できる限りを尽くして辿り着いた、自分なりの結論。
だからこそ、後悔したくはない。
最後の力を振り絞り、渾身の作を書き上げた小説が『赤い隻眼』だ。
記念に自費出版をしてけじめをつけるつもりだった。
半年後、一本の電話がなった。
それは自費出版をした出版社の担当者からのものだった。
忘れた頃にかかってきたその電話で、新人作家を探していることを知る。
すぐさま『赤い隻眼』を必死で書き直し、『心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている』として完成させ、遂に念願の出版に至った!
作品は、またたく間に大きな反響となる。
まさに、諦めかけていた道が一気に開かれた瞬間だった。
好きで好きでたまらなかったからこそ、続けられた。
そして続けることをやめなかったからこそ、今がある。
好きなことを地道に積み上げることの素晴らしさ、尊さが、作品に結実している。
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