バトンという競技がある。
元々、マーチングバンドの指揮棒が起源であり、表現やエンターテインメントとしての側面が強い一方、競技としても世界大会が行われ、盛り上がっている。
そのバトンの大会において、長年にわたり素晴らしい成績を残してきたのが、本日のスゴい人。
17歳の時、世界選手権・男子個人シニア部門で優勝、以降2005年まで前人未到の11年連続優勝。
世界選手権で獲得した金メダルの合計は史上最多の23個に上る。
そんなスゴい人は、実は男性。
女性の競技というイメージが強いこのスポーツにおいて、どのようにキャリアを積んでいったのだろうか。
そして、圧倒的な成績を残し続けるメンタルとはどういったものなのだろうか。
さあ・・・バトントワラー 稲垣正司様の登場です!
「周りの人に恵まれて」
6歳の頃、バトンを始めた。
きっかけは2歳上の姉がやっていたから。
この時、同じ練習場に120人くらいの同世代の子どもがいたが男子は自分1人だった。
でも、バトンが楽しかったし、大会での成績もよかったので肩身の狭い思いはほとんどしなかった。
小学校3年生の時に、周りの後押しもあり、世界の舞台を目指すようになった。
でも、低学年の頃はまだ世界大会がどういうものかも分からず練習するだけ。
自分の意志で本格的に世界一を目指そうと思ったのは初めて世界大会の舞台にたった5年生の時だった。
16歳の時、出場部門がジュニアからシニアに上がった。
ジュニアでのチャンピオンは何度も経験していたが、シニアの壁はやはり高かった。
当時のチャンピオンと自分を徹底的に比較研究し、毎日の練習でそのギャップを埋めていった。
本番が1発勝負のバトンでは、日々の練習や習慣が本番での演技に大きく影響する。
例えば、1つの技を10回連続でできるようにする、という練習がある。
目標の10回を達成できた後に、「もう1回やってみよう!」という気持ちになれるかどうか。
10回やるための練習でなく、本番でミスしないための練習なので、常に「もう1回」という気持ちで練習に臨めるか否かが、本番で成功するかどうかを決めるのだと思う。
また、毎日同じことをするようにした。
毎日毎日同じことをして、体に刷り込む。
それによって、「まさか」という予期しないことが本番で起こっても、慌てずに軌道修正することができる。
この毎日の積み重ねが、優勝し続ける、負けない体質をつくってくれたのだと思う。
自分はコーチに恵まれていて、こうした習慣を自然と身に付けさせてもらった。
努力が実り、17歳で初の世界チャンピオンを獲得することができた。
現在は、母校立命館大学のバトントワリング部の監督をしている。
競技人口は、今では日本国内で3万人くらいになり、自分の代から始まった部活動も、今では多くのバトントワラーが立命館のバトントワリング部入部を目指して受験してくれるようにもなってきた。
目標としてもらっていることを嬉しく思うとともに、常に良い手本でありたいという使命感を感じている。
◆稲垣正司オフィシャルサイト
http://www.seishiinagaki.com
◆稲垣正司著書『魔法のバトン』芸術生活社
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