2000年11月に発売され、10年以上にわたり累計400万部を売り上げている『チーズはどこへ消えた?』をプロデュースした女性が本日のスゴい人。
彼女は、短大を卒業後フジテレビに入社。
当時のテレビ業界は男性社会で、女性の仕事はお茶出し、コピーなどの事務仕事。
「偉くなる気など全くなかった」と彼女は語る。
そんな彼女の転機は、グループ会社の扶桑社へ出向になった事だった。
未経験の出版の世界で宣伝を任され、7年後、初めてついた役職が“書籍編集部 編集長”
そして、累計400万部を売り上げる大ヒットとなった『チーズはどこへ消えた?』が生まれた。
彼女はなぜ、大ヒット作を生み出すことができたのか?
さあ・・・
ヒラタワークス株式会社
代表取締役社長
平田静子様の登場です!
「好奇心」
私は扶桑社で27年間出版の仕事をしましたが、最初から出版の仕事をしたかったのではありませんでした。
『チーズはどこへ消えた?』を出版した当時は、海外のファンタジー仕立ての自己啓発書翻訳がブームになっていて、「私もこんな本を出したい。良い作品が無いかな」と熱望していました。
すると、まだ発売前の『Who moved my Cheese?』のあらすじが来たのです。
まさに私が探し求めていたもので、すぐに日本版の出版を決めました。
発売は11月末だったので、経営者が年末年始に社員へ話をするのに役立つに違いないと思い、私は会ったことも無い上場企業100社の社長へ手紙を添えて本をプレゼントしました。
すると、当時ソニーの会長をなさっていた出井伸之さんが年始の挨拶で本の話をしてくださったのです。
その影響で販売数が伸び、更に、内容は普遍的で誰にでも活きる物ですから、「ビジネスマン向け」「女性向け」「新社会人向け」と重版の度に帯を掛け替えたところ、幅広い層の方が購入してくださるようになりました。
初版はたった2万部からスタートしたものが、30万部、50万部という単位で重版になり、発売から14年経つ今では、累計400万部になりました。
私の好奇心からできたものですから、今も常に好奇心を持つことを大切にしています。
勿論、私一人の力ではありません。
作品を見つけてくれた方、マーケティングチーム、すべての力が一緒になったからこそ、これほどの大ヒットになったのだと感謝しています。
私は短大卒でフジテレビに入社し、お茶出しやコピーなど事務の仕事をしていました。
それから27年間扶桑社に出向して、最後は常務になりましたが、テレビ局にずっと勤めていたら考えられなかったことでした。
偉くなろうとも思わない、本好きでも無いただの女の子がここまで来られたのは、常に目の前の仕事をコツコツやってきたから。
経験してきたことは、何一つ無駄になっていません。
目の前の仕事をきちんとクリアすると次のステップが見えるので、皆さんも目の前の事に一生懸命取り組んでください。
私は結婚・出産をして、二人の子どもを育てながら仕事をしてきました。
結婚・出産か仕事、どちらかを選ぶのではなく、全部取れることを伝えたいですね。
今後は、働く女性のロールモデルとして、セミナーや講演活動をしたいと思っています。
私の話を聞いて、働く女性が勇気づけられ、元気になってくれたら嬉しいです。
◆ヒラタワークス株式会社
http://www.hirataworks.jp/index.html
◆2015年6月末 マガジンハウスより著書を発売予定です。お楽しみに!