ロボットに、人の心が宿る。
遠く離れた場所の、会えない人に会える。
かつてSFで描写されたような、そんな技術開発に打ちこんでいるのが、本日登場するスゴい人!
彼の開発した遠隔操作型のロボット「OriHime」は、“分身ロボット”と言われるように、「あたかもその人がそこにいるように」会話ができる。
医療・介護などの分野に導入され、高い評価を受けている。
彼は青年版国民栄誉賞「人間力大賞」、スタンフォード大学E-bootCamp日本代表、ほか AERA「日本を突破する100人」、フォーブス「30 Under 30 2016 ASIA」などに選ばれた。
さあ…
オリィ研究所
代表
吉藤健太朗様の登場です!
「生きる。生かされるのではなく」
小学5年生から中学2年生まで、いわゆる不登校児でした。
もともと小さい頃から、人の遊びに付き合わされるのが苦手という意識は持っていました。
自分ではそれを特に問題とは思っていませんでしたが、コミュニケーションをとるのが下手なのだろうな、とは薄々感じていました。
そのため、話が通じ、理解してくれる存在がいたらいいな、と思うようになりました。
これが、まあ…今に至る原点なのでしょうね。
不登校の時期には、主に絵を描いたり、折り紙をしたり、とにかくひとりで打ち込めることに熱中していました。
心身ともに子どもから大人へと変化するこの時期に人と接することなくひとりでいたというのは、良くも悪くも特殊な状況です。
挫折とは違いますが、一種の欠落状態ですね。
それをなんとかプラスの方向に変えようとしてやってきました。
「折り紙が出来るなら、ロボットも造れるのでは?」
偶然湧いたそんなアイデアをヒントに、地元・奈良のロボットコンテストに出場したら優勝でき、2001年には大阪で開かれた全国大会でも準優勝しました。
優勝できなくてくやしい、という感情を、この時はじめて感じました。
その後、地元の工業高校に進学し、ここで「奈良のエジソン」と呼ばれた久保田憲司先生に弟子入りしました。
先生のもとで、ゲームのプログラミングや、改良された車椅子の製作に取り組みました。
現在手がけている「OriHime」も、そうした医療の現場に携わる中から産まれてきたものです。
身体障がい者など、療養を余儀なくされている方々にとって一番のストレスは、「寂しさ・孤独感」だとされています。
他者と関わる機会を奪われると、必然的に自身の存在感も感じられなくなる。
生きがいの低下にもつながる、と言うのですね。
不登校時代に同じような思いを味わったため、決して他人事とは思えなかったのです。
そのため、「身体的問題や距離を克服し、家族や友人などと一緒にいられることによる安心感」を提供するべく、OriHimeの開発に取り組みました。
人の悩みや苦しみなどのマイナスの感情は、人とのかかわりによってしか癒されないと思うので、OriHimeを遠隔操作型にし、OriHimeを媒介して、自分の意志で会いたい人に会え、行きたい場所に行けるシステムを実現させました。
かつて「体が資本」とよく言われました。
ですが、それ以上に「心こそが資本」ではないでしょうか。
◆オリィ研究所 公式サイト
http://orylab.com/
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