ヨットでの世界一周。
憧れる事はあっても、挑戦し、成し遂げるのは至難の業である。
本日登場のスゴい人は、幼い頃に抱いた海の先に広がる世界への憧れから、ヨットで世界一周を目指し、1994年、史上最年少で単独無寄港世界一周を達成。
2006年には単独世界一周ヨットレース「5OCEANS」クラス1に日本人で初挑戦し、総合2位の成績をおさめた。
さあ・・・海洋冒険家 白石康次郎様の登場です!
「素直」
私は小さいときからずっと変わらないんですよ。
このままなんです。
素直に、やりたい事をやってきた。
幼い頃に広い海を見て、この海の先には何があるんだろう?
海を渡って世界を一周してみたい!と思ったから、それを今まで続けてきたんです。
父は、僕のやる事に賛成も反対もしませんでしたね。
僕から相談をすることも無いのですが、自分のことは自分で決めろ、という人でした。
海への憧れから機関士を目指して水産高校で勉強をしていた頃に、世界初のヨットレースが行われました。
その大会のクラス2の優勝者が日本人でした。
後に僕の師匠となった多田雄幸さんです。
多田さんの勇姿を見てヨットをかっこいいと思い、自分で電話帳を調べて直接電話をかけて、多田さんへ弟子入りをお願いしました。
多田さんは、何も教えてはくれませんでした。
ただ、誰よりも楽しんでいました。
高校では技術を学び、多田さんからは、イメージや発想力、ヨットの楽しさを学びました。
ヨットを続けることは、苦難の連続です。
何億ものお金がかかるし、海に出たら命がけです。
給料を一切もらわずに2年間造船所に住み込みで働いたり、信用も信頼も全く無い状態でスポンサーを探さなくてはならなかったり・・・
環境は苦しかったけれど、それでも自分のやりたい事をやっているから幸せでした。
心は燃えていましたね。
どんな困難なことにぶつかってもいつも自分で考え、解決してきたけれど、海に出たらこてんぱんにされました。
最初は失敗して悔しくて泣きながら引き返して来ましたね。
一人だから1時間以上眠る事はできないし、転覆することだってある。
でも、どんな事があっても逃げませんでした。
これが、僕がやりたい事だからです。
できそうだからやって、大変そうだからやめるのではなく、やりたい事はやるんです。
どんなことでも僕は全部真正面からぶつかって行ったから、学ぶ事ができました。
方法を調べる事などしません。
今はインターネットで何でもすぐに調べる事ができるけれど、知る事はできても、学んだ事にはなりません。
だから、若い人達には自ら考え、自ら決断し、自ら行動して、自ら解決してほしい。
僕の考え方や、やり方は、今後も変わることはありません。
これからまた4年後の大会に向けて、素直にまっすぐ、日々精進していきます。
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