菊池寛賞、橋田賞、放送文化基金グループ部門賞、ATP特別賞など数々の賞を受賞した大人気ドキュメンタリー番組「プロジェクトX?挑戦者たち?」を生み出したスゴい人が本日登場する。
同番組の主題歌として書き下ろされた中島みゆき氏の「地上の星/ヘッドライト・テールライト」も売上枚数100万枚を超える大ヒットとなった。
彼はその他にも、
放送文化基金奨励賞(NHKスペシャル「埋もれたエイズ報告」)
ギャラクシー賞優秀賞(「シリーズ弁護士・中坊公平」)
など、数々の賞を受賞している。
多数の作品で高い評価を得ている名プロデューサーだった彼だが、プロジェクトXが世間の評価を得るまでには信じられないほどの過酷な日々と努力があった。
さあ・・・作家 今井彰様の登場です!
「少年の夢に戻りたい」
教師だった祖父の影響を強く受け、5、6歳で読めもしないのに枕草子をめくり、物心ついた頃には読書好きな少年になっていました。
当たり前のように小説家になると信じていましたが、15、6歳で初めて小説を書いてみてダメだと思いました。
社会経験も無いのに、小説など書けるはずもありません。
目覚めたのも早かったですが挫折も早かったです。
NHKへ就職後、プロジェクトXの企画は、2000年に始まりました。
「成果主義」という言葉を経営者がこぞって使い、成果のないものは切り捨てられていく時代。
自信を失った日本人に勇気を与えるため、番組を企画しました。
素晴らしい実力を持った日本人が認められず、有名な人が話せて、無名な人は話せない。
そんな時代に疑問を持ち、これまで光の当たらなかった人、褒められなかった人にゴールデンタイムでスポットライトをあてるという一か八かの挑戦をしたのです。
しかし、通常ゴールデン番組の制作には30名ほどのスタッフが入るところ、
7人しか人を入れてもらえませんでした。
240日間、1日も休み無く7人で取材、制作など全ての仕事をこなしました。
番組は打合せ無しのぶっつけ本番。彼らは本物ですから、やってきた事について聞けば話せるという読みは的中しました。
でも、スタートは視聴率5%と低迷し、局内での風当たりも強く、始めは2?3ヶ月で打ち切りという噂が流れました。
ゆっくり眠る暇も無くソファで仮眠しながら働き続け、体重は14kg落ち、十二指腸潰瘍になり、歯を食いしばり続けたら、歯列がゆがみましたね。
放送開始から数ヵ月後、放送日の火曜の夜にBarから男が消えるという都市伝説が噂されるようになり、
「もう少し頑張ろう。1年完走できたら良いな。」
という気持ちで頑張り続けました。
半年くらい経った頃に、橋田寿賀子さん、木村拓哉さん、宇多田ヒカルさんなどが「プロジェクトX」を見ているとテレビで話してくださるようになり、そこから一気に人気が出ました。
187本のドキュメンタリーを本気で作り上げた番組です。
視聴者が育ててくれて奇跡の番組といわれるようになったことに感謝しています。
今は、少年の頃からの夢である作家業で第二の人生を生きています。
数千人の人に出会い、世界を取材してきた今なら書けるのではないかと思い、新たな挑戦をしています。
私の本は、字も小さめで文量も多いかもしれませんが、まずは5ページめくって読んでみてください。
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