本日登場するスゴい人は、居宅患者数約2000人で日本一の在宅医療ネットワークを経営する医師であり、経営者。
大学を卒業後、病院で5年半の研修を終えた彼は東京大学大学院に入学。
更にそこで出会った人の勧めにより外資系コンサルティング企業に入社。
そんな中、アルバイトとして勤務して初めて見た在宅医療の現場に衝撃を受け、5か月後には自身のクリニックを立ち上げた。
彼の目指す高齢者への医療の在り方とは?
さあ・・・医療法人社団悠翔会理事長・診療部長 佐々木淳様の登場です!
「幸せな最期を在宅で」
大学を卒業後、私は一つの科だけでなく全体を見られる医師になりたいと思い、民間の病院で5年半研修をしました。
実際に患者さんを診ると、教科書では勉強したことのある事でも新たに勉強すべきことがたくさん出て来て、仕事が終わると病院の図書館で勉強をしていました。
1年目は休みが1日もなく、3分の1くらいは病院で寝泊まりして生活していました。
寝ているとき以外は医療をしているという生活でしたね。
でも、勉強をさせて頂いていると思っていたので辛いとは感じませんでした。
在宅医療との出会いは2006年3月。研修を終えてから大学院に行ったり、一般企業に就職をしていたりした中で在宅クリニックでアルバイトをしたことで、「こんな医療は見たことがない」と衝撃を受けました。
それまでも高齢の患者さんはたくさん見てきましたが、治せない病気の人に対しては何もすることができないという病院に対して、在宅医療は治せない病気の人の所にも通い続けます。
病気として治したか?
人間として治したか?
という重い選択があります。
病院で亡くなる時は「医療の敗北」といったネガティブな印象が強くなりますが、在宅で亡くなる方は「人生を生き切ったね」とポジティブな印象を受けたのです。
患者さんの中には自宅で最期を迎えたいという方も多くいますが、急変などがあると病院に運ばれて亡くなってしまう。
誰もが避けることのできない最期を幸せに迎えるためには、日常的な健康管理の他に、万一の時に対応できる365日24時間体制の在宅医療が必要だと思い、2006年8月にクリニックを立ち上げました。
最初の5年半は夜間の対応を他の人に任せるのが不安で、ずっと一人で当直をしていました。
5年目には患者さんの人数も増え毎晩深夜に数件の緊急往診をしていたので、寝不足が続き、体力は限界に達しようとしていました。
これは患者さんのためにも良くないと思い、当直のシステムを導入しました。
今後は地域の医師との連携を更に強めたいと思っています。
自分の患者さんを全て自分で診ようとすればできますが、大事なのは持続性。
医師が過労で倒れてしまったり、余裕を失って患者さんに最良の医療を提供できなくなったりしては意味がありません。
地域の医師の負担を減らすため、地域の当直センターの役割を悠翔会が担っていければと思っています。
個人では、コミュニティデザイナーとして地域で患者さんを支える地域作りを積極的にしていきたいと思います。
◆医療法人社団悠翔会
http://yushoukai.jp/
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