本日は、40年以上かけて7,300社を超える企業を調査・アドバイスし続けているスゴい人が登場する。
67万部を超える大ベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社1?5』(あさ出版)や『21世紀をつくる 人を幸せにする会社』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、共著)などの著者としても有名な本日のスゴい人。
福井県立大学教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、現在、法政大学大学院政策創造研究科教授、および同大学院静岡サテライトキャンパス長。
他に障がい者の就労支援機関であるNPO法人オールしずおかベストコミュニティ理事長など、公職を歴任。
これまで6回にわたり「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を実施。
2014年には人を大切にする経営学会を設立し、先の大賞の実施や全国の大学での研究発表などを行っている。
さあ…
人を大切にする経営学会
坂本光司様の登場です!
「社会性の高い企業」
両親とも中国からの引揚者で、その後父は教師となりました。
両親は戦争の後遺症もあり身体が弱かったので、幼い頃からよく両親の手伝いをしていました。
父は学生に慕われ、多くの学生が夏休みや正月に自宅に遊びに来ました。今でも私はかないません。
両親からは、利他の心を背中で教えてもらいました。
大学卒業後、中小企業の公共支援機関に入職し、中小企業の調査やアドバイスをするセクションに就きました。
中小企業の経営者に困っている事を言われても、当時、私は知識も情報も少なくてとても答えられませんでした。
何とかお役に立ちたいと、専門書を読んだり、別の経営者に教えてもらったり、知らないことは常に質問し、どうしたら相手の問題を解決できるかを一生懸命勉強しました。
立場上、ここまでする必要は無かったのですが、自分の知識と情報が増えるにつれ、口コミでアドバイスを求める経営者が自然と増えていきました。
職場では役職が下の私を頼ってくる人が増えるので、やっかみが出てきましたけど(笑)
そのうち、雑誌への執筆要請や学会での発表の場も増えていきました。
通常の人が10年かかるところを、その頃は1年で勉強した感じですね。
大学での講義は、支援機関の指導調査課長当時、非常勤から始まり、39歳の時、強いお誘いもあり大学に転職しました。
40年以上日本の企業の流れを見てくると、「技術力、資金力、規模が大きい企業が良い」とする時代から、「社員、取引先、地域を大切にしている社会性の高い企業が良い」とする時代になってきていることが分かります。
私は3人の仕事を2人でさせるコストダウンではなく、3人が企業に来るのが楽しくなる方法をアドバイスします。
それは「誰かの犠牲の上に成り立つ経営は正しくない」からです。
企業に関係するすべての人々が程度の差こそあれ幸せを実感し、報われる社会が正常だからです。
人を大切にしている企業は社員の出生率も高く、高業績という調査結果もあります。
人をトコトン大切にする企業を増加させれば、わが国の少子高齢化も防げ、そうした企業を地方に立地・集積させれば、地域格差、さらには慢性的税収不足問題も解決するのです。
「正しいか正しくないか」「自然か不自然か」の2軸で決断すれば、経営は狂わないのです。
私の門下生で障がい者雇用、高齢者雇用、子育て支援をしていない企業はありません。
だからこそ、経営者にとっての正しい情報提供・正しい教育は重要かつ必要と思います。
国から表彰を受けても賞状や盾は倉庫にしまったままの企業もありますが、先日ある上場会社の会長さんが、私に「日本でいちばん大切にしたい会社大賞の表彰状と盾は、社員食堂に飾っています」と言ってくれたのを聞き、感激しました。
私たちがやっている表彰制度や学会活動は「人を大切にするいい企業づくり」のための国民運動なのです。
人を大切にするいい会社をこの国の圧倒的多数派にすれば、日本はまた世界から尊敬される国になると思います。
◆人を大切にする経営学会
http://www.htk-gakkai.org/