昨年(2015年)発売され、大ヒットした書籍。
『ある日突然40億円の借金を背負う――それでも人生はなんとかなる。』(PHP出版)
本日はこの著者であるスゴい人が登場する。
もともとは、キリンビールの営業マン。
マイホームも手に入れ、お子さんも生まれる直前、事業家だった父が他界。
残されたのは、40億円を超える借金と、組織がボロボロに成り果てた居酒屋チェーン。
返済には80年かかると言われていた。
順風満帆の大手サラリーマンの人生が1日にして激変した。
どうして、事業を継承したのか?
どうやって、40億円という果てしない借金を返済したのか?
さあ…
株式会社湯佐和
代表取締役
湯澤剛様の登場です!
「朝が来ない夜はない」
父が居酒屋チェーンで成功して、幼い頃から豊かな生活をさせてもらっていました。
大学まで行かせてもらい、就職して結婚し、マイホームも手に入れ、子どもも授かりました。
そんな矢先・・・父親が急死。
葬儀の時、銀行の人たちが来るのを不思議に思いましたが、その後、父の会社に行ってすべてが理解できました。
“借金40億円”
愕然としました。
しかし妻に話すと「一緒にがんばりましょう!」と言われ、義理の両親も「何かあったら頼りなさい。どんなことになっても味方ですよ」と言ってくれました。
この言葉に、どれほど救われたか。
しかし、現実は厳しかったです。
ほぼ毎日借金返済や未払金の処理をして、会社を継いだものの現場にもいけず、うつ状態になりました。
銀行をまわり、迷惑をかけた方々に頭を下げる日々の中、あまりに疲れていたせいか、駅のホームから落ちそうになりました。
「このままでは、死んでしまう!」
それで、5年頑張ろうと決め、1,827日の日めくりカレンダーを作りました。
5年やれば、誠意が伝わるのではないかという想いでした。
借金取りからの電話が深夜終わり、寝る前にこのカレンダーの日をめくってその日が近づくのを確認することだけが、唯一生きる希望だったのです。
やっと現場を見られるようになると、店舗は瀕死状態。
料理人が麻雀をし、タバコを吸いながら寿司を握っているのを見て、愕然としました。
やるしかない。
33店舗のうち1店舗に絞り、改革を始めました。
しかし、改革をした店の売上が下がりました。
この時ほどつらい時期はなかったです。
直接感想を聞くのが怖くて店を出たお客様を尾行すると、「あの店、居づらい雰囲気になったよね」という言葉が聞こえました。
利益を増やすために行ったことすべてが裏目に出て、常連が消えていったのです。
やっと気づきました。
ドン底時代は弱みを消そうとするのではなく、自分たちの本来の強みを見つめ、そこを伸ばすしかないのです。
私たちは中高年向けの居酒屋であることに徹底的にこだわりました。
これが、借金40億から抜け出る一歩目でした。
利益を追求し、休みを取り上げ、ギリギリの状態を社員たちに強いてしまっている罪悪感が常にありましたが、逃げずについてきてくれました。
借金を返済しきった今、ミッションはたった1つ“社員と地元に愛される店にする”ことです。
まだまだ課題ばかりですが、社員みんなとやってきたから、今後もきっと彼らとならできると信じています。
◆著書『ある日突然40億円の借金を背負う――それでも人生はなんとかなる。』
http://www.amazon.co.jp/dp/4569825486
◆株式会社湯佐和
http://www.yusawa.com
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