タイの国技であるキックボクシング「ムエタイ」
本日は、そのムエタイの日本人選手として、 WPMF世界ミドル級、REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級、イノベーションスーパーウェルター級、元WPMF日本ウェルター級、元WBC MUAYTHAI日本ウェルター級、元イノベーションウェルター級という6つのタイトルを獲得したスゴい人が登場する。
彼はキックボクシングを始め、ついでムエタイに出会い、やがて本場タイでも活躍するようになった。
しかし、彼が闘う相手は数多くのライバルだけではない。
スポーツ選手につきものの故障やケガ、さらには勝負事では避けられないプレッシャー。
これらをどのように乗り越え、闘い続けているのだろうか。
さあ…
プロムエタイ選手
今村卓也(T-98)様の登場です!
「3年先の稽古」
高校卒業までは野球少年で、中学生まではプロ入りも意識していましたね。
格闘技に転向したのは21歳の頃、当時すでにプロボクサーだった地元の友人に影響されてのことでした。
キックボクシングを選んだのは、手だけでなく足も使えれば勝てるかも、という単純な理由でした。
入門一週間ですぐプロ練習に合流させられたり、新人時代に負けが込んで試合を組んでもらえなかったり、最初の頃はなかなかうまくいきませんでした。
それでも、リングの上でしか味わえないものがあるとわかって、格闘技にのめりこんでいきました。
一般の練習生は一日に2?3時間の練習量ですが、プロ選手は5?6時間ほどで、日曜はそれに練習生指導なども加わります。
格闘家のみならず、スポーツ選手は日頃からこうして身体を酷使しているため、ケガや体の故障はどうしても避けられません。これまでにも、拳を6度骨折したりもしています。
そのため、少しでも体の調子が悪いと感じたら、メンテナンスもまめに行うようにしています。
また、勝負事の世界ですから、もちろん勝者と敗者が常にいます。
負けるかもしれない、というリスクとプレッシャーはいつも付きまとい、特にキャリアを積むほどにその思いは大きくなります。
ただ僕の場合、プレッシャーはあればあるほど良いと思っています。
誰かに見られている、見ていてくれる、というイメージを持つとモチベーションを保ちやすくなりますね。
一流のアスリートほど経験が血肉化して、必要な時には意識せずにそれを引き出せると言います。まったくその通りだと思います。
一度相手を倒すと決めたら、そこから逆算して、そのためにどういう戦法をとるか、試合までにいくつものパターンを考えます。
そのイメージがしっかりできていれば、試合でも相手の動きに応じて無意識のうちにベストの動きができます。
そして試合が終われば、その結果がどうであれ経験として心身に刻み込まれ、次につながっていきます。
選手としてやっていく限り、このサイクルに終わりはないと思いますね。
かつて、ある力士の方が「3年先を見越して稽古することが大事」と仰っていました。
僕もこれをいつも心に留め、一日一日の地道な稽古が、3年先の成果につながると信じてやっています。
何であれ、すぐに成果を求めずじっくりやることが大事です。
キックボクシングは日本では今もまだマイナーな競技なので、今後はさらに一般に知られるようにしていきたいですね。
試合にも、ぜひお越しください!
◆クロスポイント インストラクター紹介ページ
http://www.shibukichi.com/contents/information/instructors/takuyaimamura/