世界水準の美音と超絶技巧を誇るオーボエ奏者のスゴい人!
オーケストラの音合わせの基準としてよく使われている楽器をオーボエという。
白鳥の湖のメロディーと言えば、その音をイメージできる方も多いのではないだろうか。
芸大を卒業後数々のコンテストで世界的に評価され、今や、若手の登竜門と言われる日本管打楽器コンクール・オーボエ部門の審査員長を務めるほど。
世界で活躍するまでの道のりとは?さあ・・・オーボエ奏者渡辺克也様の登場です!
「後悔しないだけの努力をする」
4歳の時からピアノを習い始めました。今から思うと感謝しなくてはなりませんが、その当時は親に言われて、イヤイヤ習っていました。結局、高校受験まで習い続けましたが、心から好きでやっていたかというとわかりません。
中学では吹奏楽部に入り、トランペット、トロンボーンを経て最後に出逢ったのが、オーボエでした。
オーボエは、作っている国やメーカーによっても全く音が違うし、演奏家次第でいくらでも音が変わる楽器です。高校生ながらに、たまたま聞いたレコードのオーボエの音がチャルメラのように聞こえて、“この音なら、僕でも超えられるのでは?”と思ってしまいました。
この勘違いがオーボエにハマるきっかけとなり、芸大を目指すための努力の始まりでした。
部活動での演奏はもちろんプロの先生に個人的につき、日々、死ぬほど練習しました。
そして、芸大に運良く合格したのですが、周りの学生たちのあまりのレベルの高さにショックを受けました。
自分は、芸大で一番下手かも・・・と思い、入学半年後のコンクールには、落ちたら芸大を辞めつもりで臨みました。この時は、常軌を逸したと言えるほど狂ったように練習したのです。そして、1年生では困難だと言われる予選通過を果たすことができました。
今でも日々、辛くなるほど練習しています。常に、今日が一番辛いです。しかし、“過去のことはすべてハッピーエンド”だと思っています。とにかく、後悔などしたくないのです。そんな無駄なことをするくらいなら今日、努力した方が良いに決まっている。
プロの音楽家の世界は実力がすべて。自分の腕が錆び付いたら、声などかからなくなります。
100%うまくいくコンサートなんてないです。それでも後悔しないですべてハッピーエンドで終わらせるためには、後悔しないだけの努力をするしかないですからね。
2012-07-11
取材:只石昌幸
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