世界に広がる音楽教育法を継承するスゴい人が本日登場する。
1946年、鈴木鎮一氏が長野県松本市に「松本音楽院」を設立。
これが、スズキ・メソードの原点だった。
鈴木氏は、この教室で育った子どもたちと共に講演と演奏で全国をまわり、それに感動した人々の熱望で各地にヴァイオリン教室ができていった。
その後、同じ教育法でピアノ、チェロ、フルートの教室も開始。
海外では1964年の10人の子どもたちによる第1回海外演奏旅行を機にアメリカから展開を始め、現在では世界46カ国で40万人、特にアメリカでは30万人がスズキ・メソードによりヴァイオリンやピアノ、チェロ、フルートなどを習っている。
世界で愛され、多数の著名な人々を輩出している音楽教育法は、どのようにして受け継がれているのだろうか?
さあ・・・公益社団法人才能教育研究会会長 鈴木裕子様の登場です!
「愛深ければ なすこと多し」
私には、日本で初めてヴァイオリン工場を開業した祖父とヴァイオリンを教えていた伯父がいましたので、ヴァイオリンと縁が切れないところで生まれたことは、他の方と違った環境だったかもしれません。
物心ついた頃には、すでにヴァイオリンを弾いていました。
子供の頃は毎日お稽古なんてしたくなかったのですが、母が環境を作ってくれたお陰で続けられたことが、今こうして会長を務めさせていただく原点となりました。
私たちは、すべての子供は誰でも育て方や環境ひとつで高い能力を発揮できると信じていますので、母が環境を作ってくれて今の私があることに感謝しております。
伯父は、指導者として世界で活躍する優れた音楽家を育てましたが、その経験をふまえ、戦後、幼児教育の一貫として始めたのがスズキ・メソードです。
“母語教育”として赤ちゃんが言葉を覚えるのと同じように、音楽を自然に覚えていくことが特徴です。
私達は、生徒さんに「毎日お稽古してね。歯は毎日磨いていますよね。歯を磨かないと気持ち悪いですよね。それと同じようにお稽古をしましょう。」と伝えています。
言葉や生活習慣と同じように、音楽のお稽古を生活の中に当たり前にあるものにするのです。
また、音楽を通して礼節も教えて参りました。
音楽を通じて達成感を味わったり幸せだと感じることも大きな情操教育になっていると思います。
伯父は私達指導者に、「『よかったよ。』と必ず褒め、もしできていなければ、『できていない所を除けば…』と小さな声で言いなさい」といつも言っていました。
褒めて育てることの大切さを教えてくれました。
戦後、伯父はこの教育法を分かってほしいと、スズキ・メソードで育った小さな子どもたち10人を連れて米国へ渡り、講演の後に子どもたちが演奏をする活動をしていました。
東京サミットの折、カーター大統領と共に来日されたお嬢様のエイミーさんにお教えしたことは、楽しい思い出のひとつです。
多くのアメリカ人が共感してくださり、米国では、今でも約30万人もの人たちがスズキ・メソードを実践しています。
卒業生達が、音楽家だけなく様々な職業で活躍されていることは、大変喜ばしいことです。
私達はこれからも、創設者である鈴木鎮一が「何を私達指導者に託したか?」を考え、スズキ・メソードの理念の原点を見据えて指導を続けて参ります。
豊かな心を持った子供たちが世界中に育ってくれることを願っています。
◆スズキ・メソード
http://www.suzukimethod.or.jp/
※一部携帯では見られない可能性があります。
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