“下町ボブスレー”をご存知だろうか。
モノ作りのまち大田区から生まれた、冬季五輪のボブスレー競技で使用されるソリを作るプロジェクトである。
2011年に始まったこのプロジェクトは、翌2012年に全日本選手権に出場し、優勝。
2013年には国産ボブスレーとして初の国際大会出場を果たした。
プロジェクトは順調に進んでいるように思えたが、同年11月、2014年のソチ五輪での不採用が決定。
更に2015年11月、2度目の不採用通知を受けた。
冬季五輪出場の機会を逃した彼らだったが、今年(2016年)1月、ジャマイカ代表チームが2018年ピョンチャン五輪で採用することを正式決定。
陸上世界トップ選手ウサイン・ボルトを生んだジャマイカと、モノ作りの日本がタッグを組み、世界一を目指している。
さあ…
株式会社マテリアル
代表取締役
細貝淳一様の登場です!
「前進あるのみ」
24年前に独立して大田区で工場を始め、最初は右も左もわかりませんでした。
工具も買えず、仕事が無い時もありましたが、そんな時に近隣の方々が工具を貸してくれたり、図面をくれたり、この地域に守ってもらい、育ててもらいました。
大田区にはバブル崩壊前は9,170社あったのですが、最近では3,500社を切る程まで減ってしまいました。
会社が減り、横のつながりが無くなって地域が衰退していくことは、自分のモノ作りにも悪影響だと思い、これ以上減らさないように地域改革に乗り出しました。
コミュニケーションを生むために意味のある集いを作ろうと考え、五輪競技のボブスレーを作ることにしたのです。
ソチ五輪の頃は最も盛り上がっていて100社ほどで取り組んでいましたが、ソチ五輪終了後、改良して新しいものを作らなければならないのに、少しずつボブスレーに時間を割くことが希薄になっていった企業もあり、17社まで減ってしまいました。
その時は嫌だなとも思いましたが、試練だと思えば楽しんで乗り越えればいい。
また時間があったら、手伝ってくれたらいい。
入口広く、出口も広くの精神です。
壁があったら、壁を超えるにはどうやれば良いかを考える。そうやって来ました。
この時残ってくれた17社の仲間とは行動でつながっているし、信頼しています。
一人で達成できる事などなく、皆が同じ方向を向いた時に初めて大きな力が生まれるんです。
私はこのプロジェクトの船頭の役割ですが、私が心がけている事は、待つことと予測すること。
未来を予測し、たとえその予測が間違いでも結果に責任を持つ事です。
今の目標は2018年のピョンチャン五輪でメダルを取る事、さらに、2大会連続金メダルを取る事です。
1回は偶然取れるかもしれませんが、2回取れたら本物です。
そうしたらやっと、私のモノ作りは一区切りです。
目標や夢を叶えるには、まずは身近な事から、自分がこうなったらいいなと思うことを改善していけば、それが人の役に立つ喜びにつながります。
「この人が求めているものを作ってあげよう」という気持ちから生まれたものは、必ずいいものになります。
ハンデだと思っている事も、自分の経験値を上げていると捉えればプラスになります。
最後は自分でしか解決できないけれど、前を向いていれば、自分の生き方に人がついてきて、サポートしてくれます。
私にはやりたいことが沢山あり、いつも妄想をして、そこに向かうための道筋を考えています。
せっかくモノ作りという武器を持っているから、今後もそれを社会貢献に活かしていきたいと思っています。
◆下町ボブスレーネットワークプロジェクト公式サイト
http://bobsleigh.jp/
◆株式会社マテリアル
http://www.material-web.net/
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