声から人物を特定出来てしまう声紋技術。
この技術は、ある日本人が作り上げたのです。
2002年に発売され、大ヒット商品となった犬語翻訳機“バウリンガル”も彼の研究成果である。
声(音)という分野をとことん追求し、犯罪捜査の新しい分野を開拓したスゴい人が本日登場する。
さあ・・・日本音響研究所所長 鈴木松美様の登場です!
「好きなことを追求する」
戦火の状況がラジオから頻繁に流れてくる時代。
幼いながらにラジオから音が出て来る事に単純な疑問が芽生え、小学校低学年でラジオを分解し組み立てなおし、中学生の頃には古いラジオから使える部品を集めてラジオを作れるまでになりました。
当時ラジオは高級品でしたので、近所から作って欲しいと沢山頼まれました。
次は電波に興味を持ち、無線の免許を取得して自宅に簡単な放送局を作りました。
高校では放送部がなかったので、予算内でオリジナル放送局を学内に敷設。
大学3年生で、会社の研修生としてソフトウェアの開発をしました。
しかし、ソフトウェアの開発はどうも面白くない。
このままこの企業に就職する事を不安に思いながら皇居近くを歩いていると警視庁が見え、空高くそびえ立つ電波塔を見た瞬間、胸が踊りました。
やはり俺には電波だ!
気づいたらその足で警視庁に飛び込んでいました。
「ここに就職させて下さい」
電波は国の管轄だから警察庁に行きなさいと教えてもらい、すぐに警察庁の人事に会いに行きました。
特にテストも無く、身元調査も後にされ、明日からでも来たら?と言われたのですぐに出勤する事にしました。
ある時、科学警察研究所から事件では声を証拠にすることはできないのかを研究しているので来ないか?とお声がかかりました。
23歳で声の研究をスタート。
世界の情勢を見たく14カ国に留学させてもらい各国の言語を研究。
FBIで研究させてもらいました。
日本に戻ってくると富士ゼロックスからヘッドハンティングがかかっていると連絡があり、500万円もする分析に必要な機械も購入してくれ、音声研究を好きにやって良いという夢の様な環境を与えてくれました。
大韓航空機爆破事件のボイスレコーダー鑑定や、フィリピンの元大統領候補アキノ氏が暗殺されたという政府発表を音声鑑定から、偽りがあると覆したこともあります。
この音声証拠がきっかけとなり、フィリピン政府は大きく民主化が出来たのです。
今迄、世界各国から依頼された音声鑑定は既に3000件を超えています。
今考えると転機は必ず良い変化となっていました。
例え報奨がない案件でも自分しかできないんだ!という責任感で結果を出してきました。
自分が好きな事を徹底して追求することを仕事にすれば、良い結果につながるのだと思います。
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