本日登場するスゴい人は、ヴェネツィアン・ガラスの本場イタリア・ムラノ島に工房を構えて活躍する日本人アーティストのスゴい人!
彼は1995年よりムラノ島でガラス制作に携わり、翌年スキアヴォン・ガラス社のアートディレクターに就任。
2004年、デュッセルドルフにて名誉技術賞を受賞。
2008年、トスカーナ・グロセト市より文化振興貢献者褒賞受賞。
同年、オープン国際彫刻展に日本代表として出展、最優秀グランプリ受賞。
2013年、映画『利休にたずねよ』にヴェネツィアン・ガラス作家として参画。
2014年、第53回日本現代工芸美術展にて現代工芸賞を受賞。
今年2015年にはミラノ万博・日本館にて、書家・紫舟氏の書をガラスで表現した作品を発表した。
さあ…
ヴェネツィアン・ガラス・アーティスト
土田康彦様の登場です!
「真心」
小学校中学年くらいから夢はアーティストになる事で、今のような生活を想像していました。
しかし4歳で母を亡くし、父も仕事が忙しく、どうしたらアーティストになれるかなど相談できる人もいない環境でしたので、自分なりに考えた結果、アーティストというのはヨーロッパを旅して絵を描き続け、生前は評価されずに死後評価されるという都市伝説のようなものを信じて、そんなアーティスト像を目指しました。
しかし、旅をするにも食べていくにはどうすればいいか考えるようになり、レストランで働けば食べる物には困らないだろうと考えました。
言葉が分からなくても料理の基礎ができればご迷惑をかけずに働けると思い、辻調理師専門学校に進学しました。
十代後半からパリに渡り、放浪の旅を続けてヴェネツィアにたどり着きました。
最初は絵を描いていましたが、ヴェネツィアに長い間住んでいると自然とガラスに意識が傾くもので、私が描いていた作品の中にも少しずつガラスが現れ、ついにガラス作品を作るようになったのです。
よく器用だと言われますが、私ほど不器用な人間はいないと思います。
ここまで来られたのは周りに良い人がいて、助けてくださったからこそ。
出会う方々が良い人ばかりで、本当に出会いに恵まれています。
私はモノづくりの最も大切な要素の一つを感受性だと思っています。
しかし、ずっとアートを職業としていても、10代や20代の頃の感受性はもう持ち合わせていません。
職業となると経済的な効果も考えないといけないし、自然に純粋さは失われていきます。
そんな中で自分が純粋さをどれだけ持ち続けているかを計るバロメーターは、4年に1度のオリンピックの開会式です。
開会式を見てどれほど鳥肌が立ち、涙できるかを1つの目安としています。
92年、ヨーロッパ放浪の旅の最中に、バルセロナの大競技場で開会式が行われているのを目にしました。
そこでスペインの王立オーケストラの大勢の演奏者たちを指揮していたのは、当時まだ40代前半だった坂本龍一氏でした。
国を挙げた大イベントで重要な役割を任された日本人を誇らしく思うと共に、その重要な役割を日本人に任せたスペインの人々の国際性、他者を認める感覚に深く感動したことを今でも覚えています。
今年のミラノ万博で初めて国家プロジェクトに関わりましたが、2020年の東京オリンピックにおいて、開会式の一部を手掛けることが今の目標です。
◆オフィシャルホームページ
http://www.tsuchidayasuhiko.it/
◆土田康彦 2015年 個展スケジュール
〔東京〕2015年7月1日?7月20日 : New Art Lab
http://newartlab.jp/_img/top/tsuchida_02.pdf
東京都中央区銀座 1-15-2 銀座スイムビル1F
12:00-19:00 火曜定休
〔沖縄〕2015年7月22日?7月26日:沖縄県立美術館
http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/index.jsp
沖縄県那覇市おもろまち3-1-1
9:00-18:00(入館は17:30まで)
金・土曜日は09:00-20:00(入館は19:30まで)
〔岡山〕2015年8月26日?9月1日:岡山天満屋百貨店
http://www.tenmaya.co.jp/okayama/index.html
岡山県岡山市北区表町2-1-1
10:00-19:30