多くの人が毎日当たり前のように箸を使っているだろう。
しかし、事故や病気で身体が不自由になり、箸が上手く使えなくなってしまう事もある。
そんな時、今までは仕方がないと諦めるほか無かったが、本日は身体の不自由な方に使いやすい、オーダーメイドのオリジナル箸を作り続けているスゴい人が登場する。
仮に他の方が同じような形の箸を作れたとしても、心地よく使って頂くノウハウに関しては誰にも負けない!と彼は言う。
彼は何故、これほどまでに情熱を持ってこの仕事をするようになったのか?
さあ…
箸factory 宮bow
店主
宮保克行様の登場です!
「直感を磨く」
短大で木材工芸を専攻し、卒業後は家具工房に勤めましたが、3年経った頃、自分の思い描いていた仕事との違和感を覚え、退職しました。
自分の好きなことを仕事とすることよりも、本当に作りたいものを自由に制作できる趣味として、木工を続けることに。
夢は「人間国宝と発明家」と卒業文集に書いていたのを思い出し、日本酒の杜氏を目指して酒蔵へ入社しました。
休みは月に1、2回で、殆ど泊まりこみ作業。
でも、自分の技術が上がればより繊細なお酒が出来る喜びは、何物にも代え難いものでした。
仕込み時期は休みが殆ど無いので、夏に一気に消化してその時期に創作活動をしていました。
作品もたくさん出来たので個展を開くと、当時はマイ箸ブーム。
私の周りでは持ち歩いている人が少なかったので、持ち歩いて自慢したくなる変わったお箸も作って展示しました。
その箸を脳性麻痺のご友人を持った方が手に取り、「もしかしたらまた彼も箸が使えるかも知れない」と言って後日ご本人と来店して下さり、色々な箸を持って使って頂き、最終的にオーダーメイドとなりました。
「これでまた美味しくご飯が食べられます」の一言を頂いた時、自分の技術と社会のニーズが一致するのがオリジナル箸作りだと実感したのです。
性格上、一つのことしか出来ないので、7年務めた酒蔵を辞めさせて頂きました。
独立後は本当に苦しかったですが、アルバイトはしませんでした。
他にお金を得る手段が出来ると、甘えが出て本当にやりたいことが上手くいかないと思ったからです。
各地のイベントに参加するようになると、少しずつ生活が出来るようになりました。
ある時、海外のライターから取材を受けるとそれがBBCニュースに流れ、それから各メディアに取り上げられ、反響の渦が起こりました。
作品作りもしますが、作品は一方的に押し付けるモノ。
しかし、オーダーメイドは、お客様がいて初めて成り立ちます。
仕事は相手がいるから頑張れるのです。
自分に正直に生きるのは難しいことですが、人生の中で色々な選択を要求される中、自分が潜在的に求めるモノをできるだけ選択し続ける事が大切だと思います。
直感というのは無意識ですが、実際には潜在意識の中で瞬時に判断されているのです。
潜在的な自分を知り、素直に行動し続ければ、直感力は磨き続けられます。
その先にその人の幸せがあると思います。
以前までは、自分の作品を強引に売り込むことがあまり出来ませんでした。
しかし、今は自信があります。とにかく、使ってみてほしい。
お箸を使うことで人生が輝き始めることを、お客様が教えてくれたからです。
「お箸が使えない」という言葉を世の中から消したい。そう本気で思っています。
◆箸factory 宮bow
http://miyabow.com/
◆3/31(火)?4/7(火)
伊勢丹 浦和店 6階 和食器売場にて実演販売
◆4/22(水) ?28(火)
大阪タカシマヤ 6階 和食器売場にて実演販売
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